プレゼンや企画書作成など、ビジネスシーンでも図解が活用されることが増えてきました。図解がよく使われる場面の例として理解しておくと便利なのが、「フレームワーク」という概念です。
フレームワークとは”思考の枠組み”のこと。フレームワークにはさまざまな種類があり、それぞれの考え方をざっくりとでも理解しておくことで、図解を見る目が養われます。
こちらの記事では、図解を理解する・活用するのに役立つビジネスフレームワークを10個ご紹介します!
Contents
ビジネスフレームワーク10選
図解やフレームワークを目にする際に知っておくと便利なのは、その目的と活用法です。
ブレインストーミングのようにアイデアを出したいのか、事業やサービスをアピールする企画書を作りたいのか、それともその土台となる現状分析に取り組みたいのか……。
目的を明確にすること、それに適するフレームワークを知っておくことで、作れる図解の幅も広がっていくはずです。
アイデアを出すフレームワーク
まずは、プレゼン資料などを作る際のアイデア出しとして有効なフレームワークを2つ紹介します。
- マンダラート
- SCAMPER
マンダラート
目標設定のために用いられることのある「マンダラート」。
3×3のマス目を9つ用意し、真ん中に書き入れた主題に沿って連想するものを周囲のマス目に埋めていく、アイデア出しのツールとしてオーソドックスなフレームワークです。
メジャーリーガーの大谷翔平さんも高校生の時から活用していたそうな。
- 明確な目標があり、それを形にするため行動したい人
- アイデアの種を出したい人
マンダラートの例
SCAMPER
「SCAMPER(スキャンパー)、SCAMPER法」は、こちらもアイデア出しのツールとしてよく使われるもの。7つの問いを使ってテーマに関するアイデアを発想していきます。
限られた時間内にアイデアをたくさん出す必要がある時に便利なフレームワークです。
- 限られた時間に複数のアイデアを出したい人
SCAMPERの例
事業やサービスを企画するフレームワーク
事業やサービスを設計したり、企画書を作成したりするのに有効なフレームワークを4つ紹介します。
- STP
- 4P/4C
- ペルソナ分析
- カスタマージャーニーマップ
STP
「STP」はマーケティング手法として広く知られています。
- Segmentation(セグメンテーション)
- Targeting(ターゲティング)
- Positioning(ポジショニング)
の頭文字を取って名付けられた手法で、市場をどのように細分化できるのか(S)、どこに商品やサービスを提供するのか(T)、他社に比べてどのような価値を提供するのか(P)を、明確にしていくための手法です。
- マーケティングを勉強したい人
- 自社サービスや商品についてさらに深く理解したい人
STPの例
4P/4C
マーケティングミックスと呼ばれることもある「4P/4C」。
こちらもビジネスシーンで広く使われています。STPによって設定された戦略を、どう実行していくかを具体化していくためのフレームワークです。
4Pは企業の視点から、4Cは顧客の視点から、具体化のための切り口が作られています。
- 企業側、顧客側の双方の視点から分析を進めたい人
4P/4Cの例
ペルソナ分析
「ペルソナ分析」もSTPや4P/4Cと同じ、マーケティングフレームワークのひとつです。
ペルソナ分析では「ペルソナ=商品やサービスを利用する代表的な1人のユーザー像」を想定し、名前や性別からその生い立ちなどを詳細に作り上げます。
ペルソナを作りターゲット像をより詳細に理解することで、より具体的な施策を考えることが可能です。
また、複数人で製品やサービスを作成する場合にもペルソナ分析は効果的。それぞれの頭の中にあるターゲット像を詳細にすり合わせることができれば、各施策の一貫性を保ちやすくなることでしょう。
- より人の感情に訴えかけるマーケティングを進めたい人
- SNSからの流入経路を確保したい人
ペルソナ分析の例
カスタマージャーニーマップ
ユーザーが商品やサービスを知り、実際に購買へ至るまでの導線を視覚化した「カスタマージャーニーマップ」。
ユーザーの思考や感情をステップごとに深堀りすることで、購買プロセスにおける課題点を具体化、明確化するのに役立ちます。
- 顧客の心理をより正確に理解し、マーケティングに活かしたい人
カスタマージャーニーマップの例
現状分析をするフレームワーク
次に、プレゼン資料や企画書作成の前段階として、現状分析をするのに有効なフレームワークを4つ紹介します。
- ロジックツリー
- 3C
- ファイブフォース
- VRIO
ロジックツリー
代表的な思考ツールのひとつである「ロジックツリー」。
課題が出てきた際に、本質的な問題はどこにあるのかをはっきりさせるのに便利です。ロジカルに考えることが苦手な方でも、コツさえ掴めば強力な思考の武器となるフレームワークです。
- 課題の構造を正しく理解し、解決に繋げたい人
ロジックツリーの例
3C
「3C(サンシー、スリーシー)」は
- Customer(顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
それぞれの頭文字を合わせた言葉です。
商品やサービスをとりまく市場の全体像を把握し、戦略を立てる一歩目としてよく利用されています。
- 自社サービスや商品の市場を理解したい人
- 新しい商品やサービスを作りたい人
3Cの例
ファイブフォース
ある業界の収益性を分析するのに特化した「ファイブフォース」。
世界的に有名な経営学者マイケル・ポーターが発表した書籍『競争の戦略』に登場するフレームワークです。
売り手や買い手の交渉力をはじめ、企業間の関係性や新規参入企業など5つの視点から業界の収益性を分析します。
- 製品やサービスの業界自体の収益性を理解したい人
ファイブフォースの例
VRIO
「VRIO(ブリオ)」は
- Value(経済価値)
- Rarity(希少性)
- Imitability(模倣困難性)
- Organization(組織)
それぞれの頭文字を合わせた言葉。
人材や資金など、自社の持つ資産について理解を深め、市場でどれだけ戦えるのかを把握するのに便利です。
- 自社自体にどのような資産があるのかを知りたい人
VRIOの例
ビジネスに効く!図解のメリットとは
今回は、アイデア出しやプレゼン資料や企画書の作成、その前段階としての現状分析などに使えるフレームワークを紹介しました。
質の良い分析やわかりやすい企画構成をもとに作成すれば、いざプレゼンをする段階でも自信をもって説明することができます。
誰かに説明するというのは、自分自身がしっかりと内容を理解していないと意外と難しいもの。質問をされた時にも滞りなく回答できると、上司や取引先など、まわりの信用を得やすくなるはずです。
ビジネスだけじゃない!図解はこんな時にも使える
また、図解やフレームワークは、ビジネスだけではなくプライベートでも十分に活用できます。
たとえば、考えなければならないことや決めなければならないことが同時に複数出てきた場合。
ただメモ書きで羅列するのもひとつの手ですが、図解やフレームワークを上手く使ってまとめてあげれば視覚的にもわかりやすくなり、すっきりと整理整頓されます。
いま置かれている現状や将来の計画を立てるときなど、道筋をはっきりさせるのにも有効です。
はじめは「図解なんてやったこともないし、難しそう……」と思われるかもしれません。
まずは、こちらの記事で紹介したフレームワークを参考に、図解作成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。