図解を活用することで、プライベートやビジネスがより円滑に進めやすくなります。詳細はこちらの記事でも解説しましたが、今回はさらなる応用編です。
「図解」と一口に言っても、さまざまな種類があります。こちらの記事では、勘違いしてしまいやすい「図解に関連する用語」について解説。あわせてビジネスに使える図解の種類をわかりやすくまとめています。
Contents
そもそも、「図解」ってなんだろう?
「図解」とは、物事を整理整頓し、図形や文、アイコンを使ってわかりやすく説明したものを指します。
書店でも「図解の作り方」といったHow to本が多く並んでいたり、ビジネス書や自己啓発書に多くの図解が掲載されたりする例も増えてきましたよね。
「なるほど、よく見かけるあれが図解ね!」とピンとくる方が多いのではないでしょうか?
しかし、中には図解のように見えるけれど、厳密には図解ではないものもあるんです。混同してしまいがちなので、間違えやすいものについて順に説明します。
インフォグラフィック
「インフォグラフィック(infographics)」とは、情報やデータ、知識を視覚的にわかりやすく表したものを指します。
一見すると「図解と何が違うの?」と思われるかもしれません。最大の違いは「人の感情に訴えかけている点」です。よりアーティスティックな表現に重きが置かれており、情報を伝えることを最優先にした図解とは区別されています。
グラレコ(グラレポ)
イベントやセミナー、会議の内容を聞きながらリアルタイムで絵や文字に表すグラフィックレコーディング(グラレコ、グラレポ)。2015年ごろからSNSを中心に流行したのをきっかけに知った方も多いのではないでしょうか?
グラレコを図解の一種とする区分けもありますが、その特徴を考えるとやはり別のものと言えるでしょう。グラレコの特徴はなんと言っても、その「リアルタイム性」にあります。
ピクトグラム
男女別のお手洗いを示す人型や、非常口の人型などがピクトグラムとして有名です。国が違っても、使っている言語が違っても、一目見ただけで何を表しているのかがわかるのが特徴。
ピクトグラムは1920年にオーストリアで生まれたとされており、日本ではオリンピックをきっかけに広まった背景があります。オリンピックでは世界各国から選手が集まりますから、国や言語が違っても共通してわかるピクトグラムが必要だったんですね。
アイコン
「ピクトグラムとアイコンって何が違うの?」と思われる方も多いでしょう。このふたつの明確な違いとして、「誰が見ても共通してわかるものか」が挙げられます。
ピクトグラムは、生まれた国や使う言語が違っても意味のわかるもの。対してアイコンは、必ずしも万人に共通してその意味がわかるものとは限りません。
たとえばスマートフォンのアプリを表すアイコンがその例です。LINEやGmailなど有名なアプリはアイコンを見ただけでわかるかもしれませんが、ユーザーが限られているマイナーなゲームのアプリなどはどうでしょう? わかる人もいればわからない人もいますよね。
イラスト
イラストは、言葉としては最も馴染みがあるかもしれません。絵本や小説の挿絵、商品パッケージなど、情報元となる文章や商品を視覚的に表現したのがイラストです。
一般的にイラストはアイコンよりもさらに情報量が多く、図というよりは絵に近いものになります。
「図解」「インフォグラフィック」「イラスト」……このあたりがもっとも混同しやすいかもしれません。実はしっかりとした絶対的な定義はなく、曖昧な部分も多いのが現状です。
図解の種類いろいろ
図解と混同してしまいがちな言葉について、その違いを説明しました。
続いて、主にビジネスで使える図解を
- 要素を比べたいとき
- 全体を俯瞰したいとき
- 順序を明確にしたいとき
の3つの目的別に分けて9パターン紹介します。
「図解」と一口に言っても、その細かな種類や目的は千差万別です。どんなときにどの図解を用いるとよりわかりやすく表現できるのか、パターンを知っておくだけでスライドや資料の質が一変しますよ!
要素を比べたいときの図解
1. マトリックス
いくつかの要素を比較したいときに便利な図解として、マトリックスがあります。教科書やビジネス書などで見たことのある方も多いでしょう。
表形式にすることで要素全体を俯瞰したり、比較するときに役立ちます。
2. マッピング
マッピング(Mapping)はその名の通り、地図のように要素をプロットしていく図解。頭の中の整理やブレインストーミングによく使われる「マインドマップ」でもお馴染みです。
線で範囲を区切って作成するのはマトリックスと同じですが、一番の違いは区切った範囲内(象限)にグラデーションがあるかないか。
マトリックスにはグラデーションはありませんが、マッピングでは同じ区切りの範囲内でも、どの位置に要素を描くかによって意味合いが変わるのが特徴です。
3. グラフ
折れ線グラフや棒グラフ、円グラフなどさまざまな種類があるグラフ。複数の要素を数値ベースで比較したいときによく使います。
初めて図解に挑戦するときに、もっとも手を出しやすいのがグラフ作成かもしれません。試しに手元のデータを簡単なグラフにしてみましょう。図解作成のコツがつかみやすくなります。
全体を俯瞰したいときの図解
4. ベン
円と円が重なり合ったベン(ベン図)。複数の要素が互いにどんな関係性を示すのか、わかりやすく表せる図解です。集合図や論理図とも呼ばれます。
たとえば社内にはいくつかの部署がありますが、中には部署を兼任している方もいるのではないでしょうか。はたまた部署は違っても、同じプロジェクトチームに属している場合などもあるでしょう。こういった、文章にすると少しわかりにくい状況でも、ベンなら的確に表現できます。
5. ギブテイク
ビジネスモデルを説明する時によく使われる図解です。複数ある要素の互いの関係性を表すのに用いられます。
たとえば商品の流通経路をわかりやすく示したい場合、「製造元」「販売元」「顧客」がそれぞれどのような関係で結ばれているのか? 文章で説明するよりも、ギブテイクで図解してしまえば一目で全体像を伝えられます。
6. ツリー
要素の階層や構造を表すのに適したツリー。歴史の教科書でよく見る家系図や、会社の組織構造を表す組織図などがツリーにあたります。
上記で説明したギブテイクでは、要素の数があまりにも多いと見た目が複雑になってしまいがちです。しかしツリーを使えば見た目をすっきりまとめられます。
7. ピラミッド
「マズローの5段階欲求」や「カースト制度」を表すときの、あのピラミッド型の図がもっとも馴染み深いでしょう。頂点にいくほど数が少なく、下辺にいくほど数が多くなることが視覚的にわかりやすい図解です。
また、頂点にいくほど上位概念になる要素、下辺にいくほどベースになる要素を表したい場合にも便利です。
順序を明確にしたいときの図解
8. フロー
フローチャート、フロー図とも呼ばれる図解。仕事のマニュアル手順や、人の購買心理などを流れで掴みたい場合などによく使われます。
要素が多く、口頭で伝えるにはわかりにくい場合も、フロー図にまとめるだけで誰もが順序を理解でき、具体的な行動に移りやすくなるため便利です。
9. サイクル
PDCAサイクルという言葉をご存知でしょうか?「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」それぞれの頭文字をとった言葉で、まさにこのPDCAサイクルを表した図がサイクルという図解を示します。
前項のフローと比較すると、要素の数が少なくなりやすいです。
図解で生活をもっとスムーズに
混同しやすい図解まわりの用語や、主にビジネスで使える図解の種類について解説しました。
さらに図解を作る手順について学んだり、自分で図解を作ってみることで、より図解の便利さや魅力がわかります。
仕事で、プライベートで、まずは簡単な図解から作ってみてください!