こんにちは、さいです。
図解と戦略を活用したコーチングを仕事にしています。
ふだんブログやSNSで発信する中で、
「コーチングの基礎知識を知りたいです」
「コーチングって私にも相性いいですか?」
という質問やDMを一定数いただきます。
そこで今回は”一般的な”コーチングの基礎知識を知るという視点から、コーチングに関する情報をまとめてみました。
この記事を読めば
- コーチングとは何か?
- コーチングの価値やメリットは何か?
- コーチングはどんな人におすすめか?
などの全体像を掴めるかと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
コーチングには絶対的な定義や方法はありません。あくまで僕個人の解釈として読み進めてください。
Contents
コーチングって何なの?
コーチングの定義
まずは、「コーチングとは何か」について。
前提として、コーチングにはいろいろな流派があり、世界的に統一された定義というものはありません。
各コーチング団体やコーチによって、コーチングの定義はさまざまです。
たとえば、世界最大級のコーチング団体『国際コーチ連盟(通称:ICF)』では、コーチングを次のように定義しています。
※クライアント=コーチングを受ける人
コーチングとは、思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くことです。
対話を重ね、クライアントに柔軟な思考と行動を促し、ゴールに向けて支援するコーチとクライアントとのパートナーシップを意味します。
ICFの定義は長いので、僕はいつもコーチングを『より速く、より高く、より楽しく目的を達成するプロセスのデザイン』と説明しています。
コーチングとは「目的達成のための道づくりの手法」であり、その道づくりのプロフェッショナルがコーチである、という捉えかたで日々コーチングを提供しています。
コーチ(coach)の語源・由来
また、コーチという言葉の由来は、16世紀のハンガリーにまでさかのぼります。
ハンガリーにはコチ(Kocs)という町があるのですが、当時のコチは『馬車』で非常に有名な町でした。
コチの馬車の評判が広まるにつれ、やがてコチの馬車そのものがコチ(kocsi)と呼ばれるようになり、これが英語に転じてコーチ(coach)となりました。
つまり、コーチという言葉には本来、『人を目的地まで連れて行ってくれる乗り物(人)』という意味合いが含まれているのです。
コーチングってどんなメリットがあるの?
コーチングの価値
クライアントを目的地にまで連れていくコーチング。その『価値』は、大きく次の3つに分けることができます。
- よりはやく目的地まで行ける
- より高いレベルの目的地まで行ける
- 目的地までのプロセスが楽しくなる
図にすると下記のようになります。
この、コーチがいない場合と比べたときの差こそが『コーチングの価値』と言えるでしょう。
コーチングのメリット/効果
上に挙げた3つの価値をもうすこし細かく分けて考えると、コーチングには次のようなメリット/効果があるといえます。
- 目的/目標を達成したイメージが明確になる
- 目的/目標達成に向けた具体的な行動をとることができる
- 行動の質が変わり、人生が変わるような結果が出る
- 自分の価値観、思考のクセに気づき、自己理解が深まる
- 思考が整理整頓されることでスッキリする
- 自分自身の成長に目を向け、感じることができる
- 未来志向、前向きな考え方を身につけることができる
- 話を聴いてくれる相手がいることで心身のストレスが減る
ここに挙げたメリットや効果はあくまで一例で、各コーチによって伝えかたは異なります。
また、クライアントによっても、コーチングを受ける時の状態や目的はさまざまなので、効果の感じかたは変わってくるでしょう。
コーチングってどんな感じで進むの?
ではコーチングとは、どのようにクライアントを目的地まで連れていくのでしょうか。
ここではコーチングのプロセスを、
- 目標への進みかた
- セッションの進みかた
の2つの階層に分けて説明します。
①目標への進みかた
一般的なコーチングではまず、クライアントが抱えるテーマに沿って、契約期間内に達成したい目標をヒアリング、設定します。
設定した目標に対して、コーチとクライアントは数回のセッションと、その間の期間(=クライアントが行動する時間)を通して、目標の達成を目指していきます。
※セッション=コーチとクライアントが対話する時間のこと
セッションの方法や長さはコーチによって異なり、電話で15分のセッションを提供するコーチもいれば、対面形式で数時間にわたってセッションを提供するコーチもいます。
②セッションの進みかた
各セッションは基本的に
- コーチが質問する
- クライアントが考える
- クライアントが答える
- コーチが答えを聴き、次の質問をする
というプロセスの繰り返しによって進んでいきます。
この『質問する→考える→答える→聴く』というサイクルの中で、コーチはクライアントの目標を明確化させたり、目標の達成につながる具体的な行動をとることを後押しします。
クライアントは次回のセッションまでにコーチと設定した行動を実行に移すことで、一歩一歩、叶えたい目標に近づいく、ということです。
また、クライアントはコーチの質問に答えることで、しだいに頭の中が整理されていくため、自分一人では考えもしなかった新たな視点を得たり、自分自身の価値観や思考のクセに気付くこともあります。
このように、明確な目標を設定したり、思考が整理されたり、新たな視点や価値観に気づくという『良い答え』を得るためには『良い問い』が必要です。
コーチはクライアント自身が『良い答え』を導くことを促す「問いのプロフェッショナル」であるとも言えるでしょう。
コーチングの特徴は?
コーチングには他の手法とは違った、ユニークな考えかたや前提がいくつか存在するので紹介します。
答えはクライアントの中に
コーチングには基本的に『答えはクライアントの中にある』という前提があります。
そのため、クライアントが考える答えをコーチ自身が誘導したり、アドバイスをすることはありません。
答えやアドバイスを提供するのはコーチングではなく、ティーチングやコンサルティングといった手法になります。
また、『答えはクライアントの中にある』という前提のため、コーチはクライアントの職業などについての専門知識を持っている必要もありません。
クライアントの職業が弁護士だとして、たとえコーチに法律の知識がなくとも、コーチングは機能します。あくまでも目標や具体的な行動を設定するのはクライアントだからです。
上下関係ではなく、協働関係
上記の通り、コーチは何かを教える、知識を与えるといった立場ではありません。
コーチとクライアントの関係は教える-教えられるのような上下関係ではなく、目的地に向かって共に進んでいく協働関係と考え、信頼しあっている状態であることを大切にします。
コーチがクライアントを信じ、またクライアントもコーチを信じることで、セッションのテーマや対話は深くなります。
その結果、クライアントが考える質問と答えもまた深くなり、クライアントの根源的な気づきや変化、成長につながっていくのです。
短期的関係ではなく、中長期的関係
コーチとクライアントは目的地までの道のりを共に進んでいきます。
そのため、コーチとクライアントの関係は、1回のセッションで終わるような短期的な関係ではなく、数ヶ月~数年に渡る中長期的な関係となることが多いです。
1回のセッションでクライアントが抱えている悩みがすべて晴れたり、完璧な答えが見つかったり、劇的な変化が起こるというのはレアケース。
どれぐらいの期間で目標達成ができるかはコーチのスキルレベルにもよりますが、一般的に扱うテーマが深く広く大きくなるほど、コーチングは中長期的な関係となります。
コーチングってどんな人におすすめなの?
ここまでの話を踏まえると、コーチングがおすすめの人を一言で表すと『自分を自分で変えたい人』と言えるでしょう。
テーマのジャンルは何でも構いませんし、「とにかく今の自分を変えたい」という抽象的なものでも構いません。
「変わりたい」と思った時こそがコーチングを検討する良いタイミングです。
ただ、次のような心理状態の人にはコーチングは機能しづらいでしょう。
- そもそも現状から変わりたくない
- 自分ではなく、他人を変えたい
- 行動は変えず、結果だけ変えたい
コーチングプロセスにはカウンセリングは含まれていません。心身に不調を抱えている状態の人はまずカウンセリングを受けることをおすすめします。
コーチングセッションのテーマ例
コーチングのテーマはどんなものでも構いませんが、以下に代表的なテーマ例をいくつか挙げておきます。参考にしてみてください。
- 自分にとっての”理想のキャリア”は何かを考えたい
- 自分らしく生きたい・理想の自分を見つけたい
- お金に囚われない自分になるため、収入を上げたい
- 夏までにダイエットしたい
- 毎日8時間寝れるようになりたい
- 転職するか独立するかで悩んでいる
- パートナーとの関係を良くしたい
- ストレッチの習慣をつけたい
- 部下の”やりたい”を引き出せる上司になりたい
- やろうと思ってなかなかできてないことをやりたい
- 会社のビジョンをブラッシュアップしたい
- 家族との時間をもっと増やしたい
長期的なテーマとして設定しても、1セッションごとのテーマとして設定しても大丈夫です。
また、セッション中にテーマが変わっていくこともあるため、「テーマを決めなければコーチングを受けられない」というようなものでもありません。
コーチの選び方は?探し方は?
「コーチングを受けてみたい!」と思ったら、コーチはどこで探し、どんな基準で選べばいいのでしょうか。
僕はコーチの選びかたを聞かれた時はいつも「結局は相性です」と答えています。
お伝えしたとおりコーチングには様々な流派・定義があり、コーチングの方法もコーチによって千差万別です。
同じコーチング団体で学んだ人達でも、一人ひとりコーチングのスタイルは違います。
「この人になら安心して話せるな」
「この人と一緒に自分を変えていきたい」
そう感じられるかどうかが、中長期的な関係となるコーチを選ぶ上では、一番大切な基準だと考えています。
おためしセッションや単発セッションを提供しているコーチも多いので、まずは気になる何人かのセッションを受けてみて、その上で予算や期間、コーチの実績や保持資格などを総合して決めることをオススメします。
また、コーチのホームページや紹介記事、SNSアカウントでどんな情報発信をしているかも、コーチの人となりを知る上ではとても参考になるでしょう。
TwitterやFacebookで「コーチ」と検索すると様々なコーチが見つかりますし、webで「コーチング 受けたい」等で検索すると企業やコーチング団体のサービスからコーチを探すことが可能です。
コーチの実績やスキルだけでなく、考えかたや生きかたも踏まえた上で「この人と進みたい」と思える人をぜひ探してみてくださいね。